「波多江とねぇ、ユエンとそれからねぇ…あ、あなた」
1年の秋。春からリーグ戦で投げていた歩や、すでに140km/hを投げていた悠馬に遅れ、点差が開いて他に投げる投手がいなくなったとき、ようやく自分の出番が回ってきました。マウンドに立ったものの、試合後のミーティングでは名前も覚えていただけていませんでした。
部員の少ない環境で当たり前のようにエースとして投げてきた自分にとって、その現実は本当に悔しいものでした。
悠馬と歩にはずっと前を走られていたけれど、それでも、一浪して同期になれたことは本当に良かったと思っています。おかげで惰性で続けていた野球に、いままでより真剣に取り組むことができました。悠馬と歩には本当に感謝しています。
野手陣も、久我山や桐光といった兵庫出身の僕でも知る高校やベスト16は結構いくかな?みたいな高校出身のみんなが、かつて中学ではテニス部から助っ人を借り、高校では夏の大会すべて初戦コールド負けだった自分の後ろを守ってくれている。その心強さは何ものにも代えがたいものでした。
あれだけ1年の時には仲良い仲良いと先輩方に言われ、ずっと一緒にいた同期ですが、気づけばポジションや学部、車、秦野に泊まるかどうかなどいろいろな要素が絡まり13人でどこかに行くこと自体は少なくなりました。それでも大事な同期12人であることには変わりはないと思っています。平山はできないとしても11人、10回の結婚式には行くつもりでいるのでみんな結婚式呼んでください。
そして何より、投手陣の先輩方(善さん、りょうさん、波多江さん、大和さん、凱さん、ちゃみさん)
実力以上の根拠なき自信で迷惑ばかりかけてきた自分を、呆れながらも見捨てず可愛がってくださり、本当にありがとうございました。良くも悪くも「The ピッチャー」な性格で好き勝手にやってきましたが、最後まで温かく接していただいたことに、感謝の思いしかありません。
後輩のみんなへは、偉そうなことを言える立場ではありませんが、ふたつだけ伝えたいことがあります。
ひとつは「自分では変えられないものに欲を向けない」ということです。
投手起用や審判の判定、味方の守備に怒ったり、就活がうまくいかず心が疲れたりする時がありました。けれど、自分の力ではどうにもならないことに囚われず、自分にベクトルを向けることで、本当にやるべきことが見えてくるはずです。最後まで「自責」でやり切れば、チームは必ず強くなると思います。
もうひとつは「rally cap」と「no room!!」です。
これは上智ならではの文化であり、僕の好きな文化でもあります。ぜひ後輩のみんなにも大切に受け継いでほしいと思います。
最後に、ご指導いただいた村木さん、柴田さん、宮澤さん、尾形さん、吉田さん、本当にありがとうございました。上智大学硬式野球部でプレーできたことは、かけがえのない思い出です。
試合の結果は相手があることで我々次第ではありません。それでもやるべきことはやってきたつもりなので、秋リーグでは結果がついてくると信じています。2部昇格を果たし、みんなで笑って終われることを願っています。
「全部が全部うまくいくように やることやるだけ」
p.s.
日大戦を終えて、少しだけ自分の気持ちを書きます。
これまであまり多くの人に話してきませんでしたが、4年になって悠馬がNPBを目指す姿を見て、自分も“大学野球を終えても上のレベルで挑戦してみたい”と思うようになっていました。声がかからないことは分かっていながらも、クラブチームで企業チームを倒すことを夢見ていました。
今日、三者凡退で抑えられはしたものの、球速は上でやるには足りず、同じ球速でも球の質が違う。今日の日大の上にはAチーム、さらにその上には1部のチームがある。その現実を考えると、ただでさえ大きな差がある中で、社会人として働きながら成長するのは難しいと感じました。
だからこそ、秋リーグは「自分のため」ではなく「チームのため」にすべてを懸けます。球速や防御率のためではなく、優勝のために投げたい。納得して野球人生を終えるためにも、その覚悟で最後まで臨みます。
慶、いつでも使ってください。
寺尾聖之